現在活躍しているプラントハンターに西畠清順さんがいます。西畠さんはプラントハンターの活動とも言える外国の植物を日本に持って帰ってきて、外国の珍しい植物を紹介したり、植物やご自身の活動についてのトークショーや植物をに関する本を書かれています。

現代のプラントハンターである西畠清順さんについて、西畠清順さんが手掛けた植物の事例を年ごとについて、いくつか紹介します。

 

西畑さんの活動2011年

小豆島 樹齢1000年オリーブ植樹

 

小豆島ヘルシーランドのシンボルツリーとして、樹齢1000年のオリーブを独自の知識と技術で輸入し、植樹を行いました。小豆島の人々だけでなく周囲に大きな影響を与え、その後メディア等に大きく取り上げられました。

 

西畠清順さんのプラントハンターとしての代表的な活動はここから始まったみたいです。

 

西畠さんの活動2012年

代々木VILLAGE by kurkku

 

代々木にある商業施設である。「共存」をテーマに、国境というボーダーを越えて世界各国を代表する植物が一同に集まり、都心で仲良く暮らすという唯一無二の植栽計画を行った。デザインに重きをおかず、それぞれの国の植物が互いに寄り添い暮らし、ひとつの森を形成している。様々な企業や映画、イベント、アーティストとのタイアップが頻繁に行われ、年間40万人を超える来園者が訪れる施設となっている。

 

「桜を見上げよう。」Sakura Project

 

震災から1年後の春、ルミネ有楽町にて都内一早い花見をしたいという依頼を受け挑んだプロジェクト。復興を祈願し、日本全国47都道府県すべてからサクラを集めて咲かせてほしいという前代未聞のミッションのもと、日本中の公共施設、寺院、個人、企業、植物園、大学等の協力を受け、サクラの枝を集めた。そして、それらすべての都道府県から集まったサクラをイベントの日にひとつの植木鉢に一緒に咲かせ、「日本はひとつ」と大きなメッセージを掲げることに成功した。

 

URBAN RESEARCH Store 東京スカイツリータウン・ソラマチ店

 

URBAN RESEARCH Store 東京スカイツリータウン・ソラマチ店の植栽をプロデュース。テラス植栽から室内の壁面まで大量に植物を用いることで、店内を有機的な空間へと変貌させた。

 

代官山アートストリート

 

エコカー路線で業界を切り開いていたトヨタ(TOYOTA)が、あえて一風変わった新型車・オーリスを代官山ヒルサイドテラスで発表した際に、コンセプトに見合った植物を一緒に発表したいというミッションのもと遂行されたプロジェクト。代官山アートストリートの一環で企画されたこの展示は、「常識に尻を向けろ」という強いコンセプトに見合う、水と土がなくても半年も生きる砂漠の植物・トックリランを提供し、テーマカラーの赤色で演出した。

               

渋谷ロフト リニューアルオープン

 

渋谷ロフトのリニューアルオープンのため、9月の初旬にモミジを紅葉させることに成功。デザイナーの大月勝弘氏ディレクションの元、「渋谷に届いたばかりの秋」のイメージを演出した。

震災復興のイベントから有名な店舗のプロデュースまでさまざまな活動が展開されています。このころからそら植物園という活動がはじまり、メディアでの露出も増えたようです。そら植物園とは、ひとの心に植物を植える"活動として西畠清順さんが立ち上げたものです。

 

西畠さんの活動2013年

おおさか創造千島財団レセプション

 

千島土地財団100周年記念イベントにて、アーティストの栗林隆氏がそら植物園のセレクトした植物を使いインスタレーションを披露。パーティ会場までの道のり30mにも及ぶ植物のトンネルを作り上げた。

 

瀬戸内国際芸術祭 大竹伸朗作・女根

 

世界から注目されるアーティストの大竹伸郎さんが、2013年の瀬戸内国際芸術祭で創作した“女根”の植栽計画・工事を担当。建築家suniaの津田朋延さんとともに作品づくりに携わる。休校になっている小学校の校舎と校庭をまるごと作品化した“女根”は、とてつもない量と種類とルックスの植物が大量に用いられた。

 

「〜咲かせよう、希望のさくら〜」Sakura Project Ⅱ

 

ルミネにて被災地のサクラを咲かせるプロジェクトの2回目。2012年に続き、東北3県(岩手・宮城・福島)をまわり、被災地の方々の協力を得てサクラを収集。ルミネ新宿に全長約7mに及ぶ満開の「桜道」を作り上げた。     

 

阪急西宮ガーデンズ「GARDENS 5SEASONS」教えてくれたのは、植物でした。

 

関西でもっとも勢いのあるショッピングセンターである西宮ガーデンズが5周年を迎えるにあたり、そら植物園が1年間のパートナーとなり各季節を通してさまざまな展示やイベントを行なった。春は大きな桜を、夏と秋は季節に応じた植物の展示と販売、アニバーサリーである11月は西宮ガーデンズのシンボルであるオリーブの巨木を、冬はクリスマスにあわせて白樺の通り抜けを演出した。

 

旧小笠原伯爵邸

 

東京都が指定する歴史的建造物・小笠原伯爵邸の庭園改修に着手。樹齢500年のオリーブをシンボルに、ナツメヤシなどスペインの庭園に欠かせない植栽を提供。オリーブの除幕式にはスペイン全権特命大使であるミゲル・ナバーロ閣下がご臨席され、大きな賞賛と評価がされた。

 

2012年よりも活動の幅が大きくなっています。日本各地で活動が行われるようになっていて、このほかにもハウステンボスなどでイベントが開催されました。さくらのプロジェクトは好評のようで二回目が開催されています。

 

西畠さんの活動2014年

北陸新幹線開通1年前イベント(越五の国)

 

北陸新幹線の開業日にあわせ、上越市をはじめ近隣 の妙高市・十日町市・柏崎市・佐渡市の5市から集めた桜の枝を、上越妙高駅に満開に咲かせたプロ ジェクト。 各市での桜のハンティングはもとより、地元小学校で子どもたちにプロジェクトの想いを伝える『夢サクラ講義』などを行い上越妙高駅開業を盛り上げた。

 

「想いをつなぐ、さくらの花びら」Sakura Project Ⅲ

 

ルミネにて被災地の桜を咲かせるプロジェクトの記念すべき3年目のプロジェクト。福島県の花木団地の方々からの協力を得て、ルミネ大宮にて満開の被災地のサクラで花道を出現させることに成功した。

 

神戸国際会館

 

神戸のランドマークである神戸国際会館の11階屋上ガーデンが、阪神淡路大震災から20年目となる2015年、大改修工事を経て、「楽園」というコンセプトで新たに生まれ変わった。屋上ガーデンという特殊な空間に、世界各国の植物が共存。シンボルツリーとしてお客様を迎えるのは、神戸とも縁が深く、平和と反映の象徴とされる樹齢約500年のオリーブの木。

 

八芳園Intermedia Japan 2014 Annual Gala

 

外交コミュニケーションに特化したメディア・エイジェンシーであるインターメディアジャパンが主催し、世界各国の大使が集ったパーティの会場演出をプロデュース。どの国の大使が来ても自国の植物に出会えるよう、各国を代表する植物を日本の伝統の織物生地の鉢カバーに入れ、会場中に配した。通常のパーティ装花とかけ離れたコンセプトは各国の大使たちに絶大な好評を得た。

 

TOKYO DESIGNERS WEEK 2014

 

1986年より例年開催されている、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックなど優れた生活デザインとアートが世界中から集まる国際的なクリエイティブイベントにて、イベントのシンボルを担当。数ヶ月前にアルゼンチンの山奥で清順自らがハンティングしてきた巨大なパラボラッチョを会場に運び込み、大人から子どもまで会場の参加者でシンボルを植樹するイベントを行なった。

 

オフィス緑化やクリスマスのイベントなどが行わました。さくらのイベントは3回目でかなり好評のようですね。

 

西畠さんの活動2015年

TAKASHIMAYA SHOPPING March BOTANICAL GARDEN produced by 西畠清順

 

『髙島屋が植物園に!?』をキーワードに、髙島屋の主要5店舗に、清順がプロデュースした植物園が出現。重要文化財である日本橋店では、昔の大英帝国がロンドン万国博覧会を催した際の巨大なガラスの温室『クリスタルパレス』をイメージし、正面玄関ホール・正面ウィンドー・地下ウィンドー・VPゾーンに200種類以上の植物達が登場。

 

marunouchi sakura garden

 

丸ビル1F のマルキューブに満開の桜とピンク色の石楠花「桜狩」を敷き詰め、丸の内にいち早く春の空気を届けた。

 

地域を活性化させるグループ事業 『知ろう!伝えよう!みどりの魅力!』

 

名古屋・東山植物園にて開催された、イベント『知ろう!伝えよう!みどりの魅力!』にて、トークショーおよび植樹式の企画に参加。「都市と植物」をテーマに、清順がこれまでに旅した国やおもしろい植物たちについて講演し、植樹式では東山植物園80周年にちなんだオリーブの樹を参加者全員で植樹しました。

 

西畠清順の世界七大陸植物園!!

 

福岡市内の埋立地、アイランドシティにて3ヶ月に渡り開催された植物の展覧会。清順が世界中から集めた、珍しい草木や巨木たちを中心に会場を構成。太古のゾーンを含む「世界7大陸」をめぐる冒険を体験するというまったく新しい着眼点の植物園を福岡に出現させ、開催のための協賛金は 6,000万円を超えた。イベント期間中には、巨木パラボラッチョを福岡市内と会場に登場させたことでも話題となり、会期中の総来場者数は6万人を記録した。

 

ウルトラ植物博覧会 ~西畠清順と愉快な植物たち

 

銀座のポーラミュージアムアネックスに世界の驚くべき植物を50種類以上を集結させた植物の博覧会をプロデュース。世界の植物の多様性とその文化背景を知ってもらうことでより一層植物そのものの魅力を伝えるもので、連日大勢の人が詰めかけた。

 

このほかにも広告に出演したり、大学で特別レクチャーを行ったりしました。

 

西畠さんの活動2016年

Gardens by the Bay “Blossom Beats”

 

日本とシンガポールの国交50周年の春というタイミングで、 シンガポール政府が手掛ける世界的な植物園・ガーデンズバイザベイにて催された桜の花見イベント。そら植物園の母体である花宇で代々培われてきた「開花調整」技術と、年間200tに及ぶ輸出入の経験を発揮し、大量の桜とノウハウを提供。シンガポールで初の桜のイベントを成功させた。イベントは世界中でニュースとなり、期間中には、リー・シェンロン首相も来場、週末だけで来場者2万人を超える記録を残した。

               

アトレ恵比寿西館 アトレ空中花園

 

恵比寿駅直結のアトレ恵比寿に寄り添う形で、2016 年春にオープンしたアトレ恵比寿西館。その屋上庭園と4階テラス、そして外構の植栽を、そら植物園がプロデュースした。屋上庭園は「日常×非日常」をコンセプトとし、駅を行き交う人々にとって「日常的」な存在であるアトレに対して、通常の屋上緑化ではあまり見かけない大きな老木や自由な樹形の木、枯れているのか生きているのかわからない植物、珍しい花など、多種多様な植物を用いて「非日常」な庭を展開した。

 

こんにちは、ひょうごっこ。ベビーギフトカタログ シンボルオリーブプロジェクト

 

県内で赤ちゃんが生まれた家庭に「ひょうごからの贈りもの」としてベビーギフトカタログを贈呈する、兵庫県の企画「こんにちは、ひょうごっこ」。清順と2015年生まれのひょうごっこで、そのオリーブを植える「シンボルオリーブ植樹祭」を開催した。

 

代官山蔦屋書店T-SITE Green CHRISTMAS

 

代官山T-SITEの5周年記念のクリスマス装飾をプロデュース。蔦屋書店オープン当初からのテーマでもある「森の中の図書館」を、5大陸をイメージしたそれぞれの原産の植物で彩られた「生きる植物図鑑の森」として出現させることで具現化し、また、店内にあるマガジンストリートは「白樺の森」に変貌させた。

 

ホテルニューオータニ 「秀吉のクリスマスツリー」

 

30周年を迎えたホテルニューオータニ大阪のクリスマスを演出。「大阪城がお庭です」という30周年のコンセプトをヒントに、かつて豊臣秀吉が大阪城を建設する際に飛騨材の巨木を採出し大阪へ運んだことから、実際に飛騨から11Mもの巨大なもみの木を切り出し、クリスマスツリーとして使用した。

 

この年はシンガーポールでのイベントなどもあり、海外への進出がありました。このイベントも大好評で後に二回目が開催されました。体験型のイベントなども開催されている。

 

西畠さんの活動2017年

Amazon Fashion Week TOKYO 2017

 

世界の「5大ファッション・ウィーク」の一つ「Amazon Fashion Week TOKYO」期間中にアンダース東京にて行われたディナーパーティーの会場装飾をプロデュース。開催が3月ということで、「一足早いお花見」とamazonとをかけて、「amazon見」をテーマに、熱帯地域にある植物や花、満開の桜を使い、世界中からの招待客のみで賑わう1日限りのディナーパーティーの空間をダイナミックに演出した。

 

東京国際フォーラム開館20周年記念イベント

 

東京を代表するコンベンション&アートセンター「東京国際フォーラム」の開館20周年を記念するパーティの植栽をプロデュース。20周年にちなんで開花調整した20本の巨大なシダレ桜を配した、本格的な日本庭園を一夜限りのために作庭した。また、その日本庭園は実際の東京都の輪郭を象っている。

 

宇部市ときわミュージアムリニューアルオープン「世界を旅する植物館」

 

山口県宇部市が誇る180ヘクタール以上もある広大なときわ公園の中にあるときわミュージアム(植物園)・ときわ動物園のリニューアルプロジェクト。清順は「ときわミュージアム 世界を旅する植物館プロデューサー」に就任。各大陸には「スーパーツリー」が植えられ、実際にアフリカから移植された日本最大級のバオバブやNHKスペシャルで放送された、清順が地球の真裏から持ってきたパラボラッチョなど、他では見られない貴重な植物を見ることができる。また、植物園にもともとあった植物を、きちんと分布大陸別に整理・移植して活かし、園を一周すると世界を一周旅したような気分になれるような仕組みにした。

 

新千歳ANA GOLDラウンジ

 

建築家・隈研吾氏が空間デザインを監修する新千歳空港の、ANAラウンジのリニューアルにアドバイザーとして参画。中央に配する、象徴的な巨大テーブル上に、北海道の丘陵を彷彿とする苔のオブジェ制作の手法などを提案した。

 

Siwilai City Club

 

2014年にバンコクの中心街にある、タイで最もラグジュアリーなショッピングモール、セントラルエンバシー。ハイエンドなブランドショップがひしめくなかで、オーナーが力をいれてプロデュースしたソーシャルクラブ・siwilai city clubにて、クリスマスのインスタレーションを行った。レストラン内は、北海道から輸出した白樺を多用し、そこで雪に見立てて制作したコットンボールを配してタイの人がみたことのないような北欧の冬の森を室内に表現。テラスには、終わりがないことから永遠の象徴とされているクリスマスリースを、タイ国内で調達した数千の着生植物を用いて、3mという巨大なスケールで制作した。

 

海外ではシンガポールに続いてバンコクでプロデュースをしました。そのほかにもドラマへ植物提供などをしています。

 

2011年の活動はオリーブのみでしたが、次の年は代々木VILLAGEを皮切りに、たくさんの活動が行われるようになりました。代々木VILLAGEは、都内を中心に商業施設のあり方に大きな影響を与えたようです。そのためその後商業施設からの依頼が増えています。2016年には海外でのイベントも行われ、好評のまま二回目が開催されたりしました。定期的に開催されるようになったイベントなどもあります。そしてはじめは都心での活動が多かったようですが、今では地方での活動も増えていて全国各地に事例があります。年々活動の数は多くなり、活動の幅も広がっているようですね。2018年では、桜を使ったイベントがいくつか開催されており、そのほかにも結婚式の装飾などが行われました。特にウェッジウッド展では、イギリス王室御用達の陶磁器ブランド・WEDGWOODが、独自の素材である「ジャスパー」を使用した新しい植木鉢・バーリントンポットをリリースするタイミングでコラボレーションをしました。会場となった伊勢丹新宿店と阪急うめだ本店では、「最高の家時間」をテーマに、西畠清順さんが実際にウェッジウッド本社に招待された際に感じたインスピレーションを元に制作したそうです。また、バーリントンポットに合わせたユニークな植物のセレクトなどを行い、完売するなど反響を得ました。これからの活動にも注目していきたいですね。

 

西畠清順さんに関連する書籍について紹介します。

『花プラントハンター 命を懸けて花を追う』

 

年間移動距離、地球三周分! まだみぬ「花の奇跡」を追い求めて、日本全国、世界各国を飛び回る!あらゆる職人仲間から「絶対不可能」と言われた樹齢1000 年のオリーブの大木をいかにして輸入したのか? 世界最大、重量12 トンのボトルツリーをオーストラリアから輸入せよ! 真夏の結婚式に満開の桜を納品できるのはなぜ?

「絶対不可能」を覆す常識破りのハンティングで注目を浴びる、若き「植物探索者」西畠清順。そんな彼が自身の「植物ハント」物語を軸に、人の意識を変える「植物の力」を余すところなく描いた大興奮ノンフィクション!

 

『教えてくれたのは、植物でした人生を花やかにするヒント』

 

世界30カ国以上で植物と向き合ってきた、大注目のプラントハンター、西畠清順氏。世界中のメディアが注目する西畠氏が、いまいちばん伝えたいことを凝縮したフォトエッセイ! 植物と会話する方法とは? 世の中に「雑草」という草は存在しない? すべては、木のように成り立っている? 木を切ることは、かわいそうではない? 植物は決して自分だけが得しようとはしない? 人生を「花やか」にするための、驚きと発見と学びに充ちた一冊!

 

『プラントハンター西畠清順 人の心に植物を植える:地球を活け花する』

 

現代のプラントハンター西畠清順氏。老舗の植物卸問屋「花宇」の5代目であり、天皇家や銀閣寺などの依頼主のための活け花の花材を中心に、多様な植物を3000種以上栽培し、最高の状態で納めている。また、世界中を飛び回って、日本人が見たこともないような植物を探しては日本に送り込んでいる。そんな西畠氏を追ったのが「NHKスペシャル 地球を活け花する~プラントハンター・人の心に植物を植える」だ(2015319日放映)。本書は番組の取材記であり、西畠氏の魅力を最大限に伝えるものだ。中心となるのはアルゼンチンでのバオバブのような巨木パラボラッチョ探しだ。三日三晩かけて掘り起こし、独自の技術で養生して木を眠らせる。船便の手配がつかず、緊急空輸することにする。掘り出してから5か月後、ようやく日本に到着した巨木は奇跡的に長い眠りから覚める。西畠氏は「パークシティー大崎」の空間開発も手がける。「人間が創造する建造物群の真ん中に、自然が何百年もかけて作り出した命を植えることで、地球が持つポテンシャルを感じてほしい。そうすれば、植物への愛で自然や環境のことを考えてもらえるようになるのではないか」と西畠氏は言う。

 

『そらみみ植物館』

 

おそるべき才能をもった植物、秘境・ソコトラ島の植物、ムラムラくる植物、そして──愛を語る植物……。世界中にいる摩訶不思議な植物たちを、その裏側にあるいちいちおもしろいストーリーとイラストで紹介します。著者は、寝ても覚めても植物のことばかり考えているプラントハンター・清順。20113月には「情熱大陸」にも取り上げられた話題の人物です。彼が世界中を旅して出会った何千、何万もの植物の中からよりすぐりの約60点を独断と偏見でピックアップ。植物の話が、そらみみのように聞こえ、ふと気づくとあなたの心のなかにも植物園ができるような……そんなイメージの植物エッセイです。

 

『はつみみ植物園』

 

大好評「そらみみ植物園」に続く第2弾は、「はつみみ植物園」。

「そらみみ植物園」では、世界のおもしろい植物を、それにまつわるストーリーとともに、紹介しましたが、「はつみみ植物園」では、知らなきゃ恥ずかしい、植物にまつわる常識を紹介します。いつも見ている植物たちがもっと面白くなる、植物にまつわる“はつみみ"なお話をあなたにお届けいたします。

 

調べていると西畠清順さんのインタビューがたくさんあったので、ひとつ紹介します。

西畠さんインタビュー

 

https://www.daiwahouse.com/sustainable/sustainable_journey/interview/nishihataseijun/index02.html

『大和ハウスグループサステナブルな人 スペシャルインタビュー』から一部抜粋

 

―― まず、清順さんと植物との関わりから教えてください。

家業は5代続く花と植木の卸問屋で、生け花の家元やフラワーデザイナー、フラワーアーティストなどと取引をしています。若いころは植物にあまり興味がありませんでした。ただ、物心ついたころから、住み込みの職人さんたちと生活を共にしており、毎日汗をかきながら土と格闘し強くたくましい彼らと共に働きたいという思いは強かったです。世界を放浪したり、今の仕事とは全く違う業種のアルバイトをしたりした経験はありますが、結果的に、この仕事以外の道を考えたことは一度もなかったですね。

 

―― 迷うことなく植物の世界一筋だったのですね。植木の卸問屋とはどのような仕事なのでしょうか。

実家の「花宇」に入る前の1ヶ月間、別の業者に修行へ出されたんです。初日から植物の採取のため山に分け入り、寝泊まりは車の中という生活。そういう毎日の中で、切ってはいけない木を採取してしまい、問題になったという経験もしました。それまで自分の使命は植物を探し出すことだと思っていましたが、植物を守る側に立ったうえで魅力を伝えたいと考えるようになりました。

 

―― 花が咲く姿は華やかですが植木の卸業は裏方ですよね。

プラントハンターは、王侯貴族や生花の家元に美しく貴重な植物を供給する黒子的存在です。ともすれば植物を配送トラックの荷台に積み込んでしまえば仕事はそこで終わりといったところ。昔は、花と言えば表面的に美しく飾られていれば良しとされていましたが、現代ではテーマや意義が重視されるようになった。だから、30歳を目標に裏方から表舞台に出てみようと考えていたんです。それを形にしたのが、植物のコンサルティング事務所「そら植物園」です。

 

―― 「そら植物園」を作ったきっかけは?

一つは、日本の植物業界は生産者と飾る人が別だということ。海外の途上国などでは、畑で花を育てている人が収穫し、店に持っていって飾る。日本は流通が成熟しているがゆえに、生産者と表現者の距離があって、生花店、庭師、造園業者など、世の中に植物の表現をもたらす仕事をしている人でも、我々のような生産卸業者が当たり前に目にする植物の育つ姿を知る機会が少ないのです。

 

―― 意識したことはなかったですが、我々消費者も、生花店や庭師、造園業者も、目にするのは、花が咲く前後の短い期間に限られているというわけですね。

花が世に出るのは、開花のピークに向け仕上げられた一瞬でしかありません。その花がどこでどのように育てられ、どうやって運ばれたのかは知るよしもない。そういった慣習を壊すため、自分の名前を表に出したプラットフォームを作りたかったんです。

なぜその場所に、その種類の植物が必要なのか?という背景まで把握した上で世の中に伝える。長年卸業で培った目利きで集めた植物の質と、信頼関係を築いてきた庭師や盆栽師といった施工業者との間に築いてきた信頼関係は誰にも負けないという自負がある。

プロジェクトにぴったりな植物と表現者を組み合わせ、その植物のストーリーも伝えられるような提案をすることができるシステムというわけです。

 

―― 海外に出かけて植物を採取する「プラントハンター」としても活躍されていますが、具体的にはどのように植物を探すのでしょうか。

目的の植物が生育する国の地域コミュニティの中に入っていくんです。英語の通じない所も多く、コミュニケーション能力が問われる。この代々木VILLAGEにも植えられているボトルツリーはオーストラリアに自生していたものですが、人里離れた場所で安全に掘り出して日本に運ぶためには、現地の顔役に話を通し、様々な書類を用意するという、綿密なプロの仕事ができて初めて国外への持ち出しが可能になります。

 

―― とくに印象に残っている植物との出会いは?

中東で「アラブの春」の政変が起こったころ、アラビア半島にあるイエメン共和国の砂漠で植物を採取していたんです。辺りを武装した民兵の車が走り回っているという緊迫した状況で、ふと見た道端にアデニウム・アラビカムが咲いていた。

「砂漠のバラ」とも呼ばれる塊根植物の原種で、色合いは派手ではないのですが、素朴な姿に感動したんです。今ではイエメンで採取した種を第三国で育てて日本にも輸入しており、人気の観葉植物となっています。

 

―― その土地に足を運ばないと本来の魅力は伝えられないのかもしれません。価値のある植物を見つけるコツは?

情報は世界中から入ってくるので、価値を見分ける目利きである必要があります。いくら苦労して秘境にたどり着いても、珍しい植物かどうか見分ける力がないと意味がない。日本では価値が高くても、現地では「こんな木を欲しがるのか?」と不思議がられることもあります。最近では海外でも私の存在を知られるようになったおかげで、大使館を通じて「こんな植物があるんだけど?」という打診もいただくので、この5年間やってきたことがようやく実を結んだという手応えを感じています。

 

ここまでさまざまな面から活動を見てきましたが、本当に多岐にわたっていることがわかりました。年々活動の幅が増えてきていて、これからももっと広がっていくと思われます。意外と身近にも西畠清順さんが手掛けた空間やイベントがあるかもしれません。

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